山田露結ブログ

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用もなく人に生まれて春の風邪 山田露結

二〇一二年という年も暮れようとしています。
この度は『俳コレ』の御恵投まことにありがとうございました


 用もなく人に生まれて春の風


ああ、いいなア、こんなふうに春風に吹かれているひとは、人生のたつじんあだな、と感歎致しましたが、老眼でかすんだ目をこすって、よく見ると、


 用もなく人に生まれて春の風邪


で、がっくり。お気の毒に。そういうふうに人生を思うから風邪など引いいてしまうのです。肺炎やインフルエンザにかからないように気をつけて下さい。

 閂に蝶の湿りのありにけり
 バスを降りバスに乗りけり小実昌忌
 朧夜のための欄間と思ひけり
 涅槃図の外にも人の溢れをり
 コピーして赤はグレーに昭和の日
 峰雲やしづかに飴を舐めをはる
 雁瘡やときに激しき愛し方
 てのひらとなりきることも踊りかな
 説明書読まぬ質なり蚯蚓鳴く
 給油所をひとつ置きたる枯野かな

私のベスト10をえらんでみました しかし他にも好きな句があります
これからが本格的な貴家の世界が創られてゆくと思います しかし83歳(私の歳)になって振り返ったとき こうした作品から自分の句が誕生したのだ、と思い、それはとても大切のことのように思われます
中原道夫という実に俳句巧者の師を選られたことの幸運と同時に危険を背負われているように思われます 上手になり過ぎるのはときに危険です 今後、師や先達から どれほど遠く離れるか、ということが結社誌の場合の師に報いる最大の勤めのように存じます 離れて離れて離れて自分を創り上げてゆく、そしてその都度師を深く認識することができる、と、これは不肖の弟子としての私の経験上で思うことです
妄言 お赦し下さい
お若い方の俳句作品を詠ませて頂いて、とても活力になりました 感謝致します。
向寒、御自愛の上、佳き二〇一二年をお迎え下さい
向後に大いに期待しています
御健吟を。

               たむらちせい

  山田露結様

 

 

気持が弱ってるのかも知れません。

またこの手紙を読み返しています。

僕にとってとても大切な手紙です。

ここに残しておきます。

 

用もなく人に生まれて春の風邪 山田露結 『俳コレ』

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